ピンぼけ写真は失敗か?

私の撮る写真は、けっこうピンぼけが多くて、皆様から指摘されることも多いのです。

ですので、大量に撮っておいて、人にあげるような写真は、ピントの合っているのから選ぶということにしておりますが、自分のお気に入り写真は、意外とピンぼけだったりいたします。

あまりにボケボケで、何が写っているのかわからないというのは、問題外だとは思いますが、多少のピンぼけくらい、いいんじゃなかろうか?

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ピンぼけ写真も味があればよし

意図して、ピンぼけにしているわけではないので、失敗といえば失敗と言えましょうが、写真って、意図せずいい感じに写っていることもあるものですから、ピンぼけはすべからく失敗と決めつけずともいいような気はします。

先日、実家の本棚から渡辺貞夫の写真集「笑顔つなげて」がでてきました。だいぶん前に買った本です。渡辺貞夫とは、サックス奏者の世界のナベサダです。(ちなみに私も一時期サックスの練習をしていたことがあります。クラシックの譜面どおりにはなかなか上手に吹けませんでしたが、デタラメのアドリブは得意です)

この写真集は、ナベサダが写っている写真集ではなくて、ナベサダがカメラとサックスを持って、アフリカやブラジル、チベットの風景や子どもたちを撮った写真集です。カメラの方はアマチュアってことですが、なかなかいい雰囲気で味わいがあります。

でも、けっこうピンぼけなんです。動き回っている子どもたちの自然な姿を撮っているためか、ピンが顔に来てないのが、多々あります。でも、そんなに気になりません。

これがもし、ナベサダのライブの写真集だったら、そうは言っておれないかもしれません。撮影したカメラマンはクビですね。ポートレートであれば、ピントは目に来ていているべしです。

でも、自然な環境の中の自然な子どもたちと撮るのに、変にシャープに撮らなくてもいいですね。

ナベサダの写真集の写真は、たぶんフィルムで撮っているので、デジカメのシャープな写真よりピンぼけが気にならないということもあるかもしれませんけど、デジカメでも、あんまりピントに意識が行き過ぎるより、気楽にカシャカシャ撮っている方が、いい写真は撮れるんじゃないかと思います。

アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真でも、わりとピンぼけは見かけますし。

ロバート・キャパの自伝に至っては、タイトルが「ちょっとピンボケ」ですし。

ピンぼけの原因

風景だとか建物だとかテーブルの料理だとか、動かないものは、じっくり構えて、ピントはしっかり合わせたいものです。これを外すようなら、ちょっとピント合わせの知識を勉強して、練習したほうが良いように思います。

(そういう私は、そんな写真でもピンぼけにさせる名手なのですが。)

ピントが合わない理由は、オートフォーカスの故障というような物理的な原因でなければ、撮影の仕方に原因があります。

まず、ピントを合わせてから、シャッターを切るまでに、自分が動いているか、相手が動いた場合。距離が変われば当然ながらピンぼけになります。オートフォーカスの場合は、自動追尾機能がありますが、外れることはあるので頼り切るのもどうでしょう。(最新の性能は知らないのでわかりませんが…)

それから、ピントを合わせてから、構図を整えようとしてカメラの向きを変えた場合。距離が変わってなければ、ピント位置は変わらないはずと思ったら、角度が変わることでズレが生じることがあります。これは至近距離の場合におこります。コサイン誤差といいます。

あと、オートフォーカスの場合、基本的には一番近いところにピントが合います。金網越しなんかだと、金網にピントがきます。顔認識機能がついていると人物の顔にピントが合うようになっていますけど、撮影者が意図しない人にピントが合う可能性はあります。

これは、ファインダーの真ん中でピントが合うように設定しておいて、常に真ん中でピントを合わせる癖をつけておくか、いっそマニュアル操作で合わせるのが良いです。

また、これもオートフォーカスの場合ですが、暗いとピントが合いにくいです。これもマニュアルで合わせるのがいいでしょう。

オートフォーカス用のレンズでマニュアル撮影をした場合、遠い景色だからと思って、ピントリングを端っこまで回して無限遠に合わせたつもりが、合ってなかったということもあります。オートフォーカス用の場合、機械が作動するための遊びがあるので、端っこからちょっと戻した辺りが無限遠になっているようです。ちゃんとデジタル画像を目で見て確認するのが良いです。

また、ピンぼけだと思ったら、手ブレだったということもあります。これはカメラをしっかり持って、脇を締めて、足もしっかり地面に安定させて、顔につけたり、ストラップをピシッと張ったり、ぶれないように撮るのが良いですね。

相手の動きが早くて、被写体ブレを起こす場合は、シャッタースピードを速くすると良いです。まあ、この場合のブレは、味わいのうちという気もします。程度によりますが。

番外ですが、レンズが汚れてるとか曇っている場合も、ぼんやり写ります。カメラは汚くても、レンズの表面はきれいにしておきましょう。

エアコンをガンガンに利かした寒い部屋から、真夏の炎天下に出たときなど、一瞬でレンズが曇って、拭いても拭いてもなかなか取れないということもあります。スキーのゲレンデから、ストーブの焚いてある山小屋に入ったときなどもです。

これは、結露といいます。

寒暖差のあるところでは、カメラは、カメララップなどでくるんでおいて、あまり温度変化の影響を受けないようにいたしましょう。

ピンボケ写真は修正できる

ピンぼけに写ってしまった写真を、くっきりシャープに修正できるアプリがあるようです。

私は、あまりボケをくっきりに修正したいという意欲がなくて使ったことはありませんが、けっこう効果があるみたいです。デジタル処理で修正してしまうわけなので、どうなのかな?という気もしますが、関心のある方はお試しください。

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