家族の歴史が破棄処分寸前だった話

かつて写真趣味のあった、うちの父親は、ただいま老人介護施設で暮らしております。

母はほぼ毎日、足繁く施設に通って夫婦愛を見せておりますが、意外と非情なもんで、家では父の持ち物を片っ端から処分して、終活しております。

父の持ち物って、まあ、いらんよな、というものも多いですが、ネガフイルムとコンタクトプリントの山を、母がゴミ捨てコーナーの段ボール箱に放り込んでいたのを見て、さすがに、ちょっと待った!!と止めました。

写真に関心のない母は、中身をろくすっぽ見ないで処分するつもりだったようですが、学校の教員だった頃の生徒さん達の写真とか、結婚前の写真とか、私が生まれたての頃の写真とか、貴重な写真がたくさんあるじゃないですか!!

 

私自身の写真も初めて見るものばかりです。自信作は、大きくプリントして、残りはコンタクトプリントで保管していたのでしょうね。見たことのある写真の前後の写真もありました。

几帳面にもネガフイルムとコンタクトプリントを、アルバムに入れて見やすいように整理されておりました。

ページの表に、フイルム、裏にコンタクトプリント、そして撮影日や場所のメモ。性格が出ているなあ。

この状態で、見ようともしない母って…

 

どうも母は、整理されているものは処分しやすいものと考えているようで、金目にならない過去の記録なぞ、興味ないみたいです。

私なんぞは、お金を積んでも二度と手に入らない貴重なものだと考えてしまうのですが、男脳と女脳の違いもあるのかなあ。

 

そういえば、聾唖の写真家の井上孝治さんが、奥さんに捨てられたフィルムの山を、ゴミ処理場まで追いかけて救出して、それがのちに写真展にだされて、アルル国際写真フェスティバルでも高い評価を得て、ついに写真集にもなったという話がありました。

女性にとってのゴミも、男にとっては宝物なのです。なんでもかんでも、ホイホイ捨てないでいただきたいです。

 

こちらは、カラーのスライドです。なんだか南国の雰囲気が写っていますが、こちらはメモがなかったので、どこなんだか。

暇のある時にじっくり眺めて、謎解きしたいと思います。

コンタクトプリントとは

ウキペディアによる解説。

コンタクトプリント(英: contact print)は、写真フィルムを印画紙に密着させて原寸プリントしたもの、またはそのための技法を指す。べた焼き、密着印画(みっちゃくいんが)などとも呼ばれる。通常はカットしたフィルム1本分を1枚の印画紙上に並べて作成するため、インデックスプリントとしてよく用いられる。

今は、コンタクトシートというと、マッキントッシュの写真のサムネイルを並べる機能を指すようです。

フイルムを現像に出すと、コンタクトプリントも焼いてくれますけど、父は、一枚一枚のプリントも、コンタクトも自分で暗室で作っていたみたいです。

そういう現像技術も教えてもらっておけばよかったな、と思ったのでした。

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