X-Pro2には、フィルムシミュレーションのモノクロモードにACROSというのが追加されたそうですね。
先日、あるイベントでスナップ写真をとっていまして、あとで参加者にも送ってあげたのですが、白黒はやめてくれ、と言われてしまいました。
カラーとモノクロを混ぜていたんです。
白黒に加工したわけではなくて、フィルムシミュレーションでモノクロを選択して撮影しておりました。
私はモノクロのほうがかっちょええシチュエーションだ!と思って撮ったんですけど、一般的にモノクロは、どうも物足りなく見えるようです。
カラーとモノクロの基準
私の中では、カラーで撮るか、モノクロで撮るか、というのは、いちおう基準みたいなものがあります。
モノクロで撮ったほうが感じが良いと思ったら、モノクロです。
具体的に言うと、あんまりカラーで撮っても色が綺麗に出ないなーと思う時です。
夜の室内で、電球の下とか、色んな色がごちゃごちゃしていて、すっきりしていないとか。
青空の下の青い海はカラーがいいと思います。
紅葉もカラーがいいと思います。
夕焼けがモノクロだと、なんだかよくわかりません。
室内でも、お料理写真は色がついていないとイマイチわかりにくいと思うので、カラーです。
室内のポートレートは、モノクロにしたほうがいい感じのことが多いです。
人の顔の色って、そんなに奇抜な色の人は少ないですから、電球の変な色が写っている顔色より、モノクロのほうが、表情が伝わるように思うのです。
キンキンの金髪の、まつげが緑色の、唇が紫、なんていう時はカラーがいいでしょうけど。
あまり色に特徴の無い町並みなんかも、モノクロのほうがかっこいいというか、特別な風景のように見えます。
カラーだと、ただのつまんないそこらの道で、Googleストリートで見る画像みたいです。
また、カラーでとっているか、モノクロにしているかで、撮る時点での意識も違っています。
色を意識するか、明るさと暗さのコントラストに気をつけるか、やっぱり違ってきますねー。
あとでモノクロ加工するのと、撮る時から意識しているのでは、やっぱり違うと思うのです。
渡部さとる氏は「旅するカメラ」の中で、南の島の写真集をモノクロで撮ったことについて書かれています。
物事を「トーン」でしか見ていなかったからだということでした。
荒木経惟氏は「天才アラーキー写真ノ方法」で、カラーかモノクロかと書いておられます。
オートバイに乗っているときは興奮しているからカラー、止まっているオートバイは死体置場みたいだから、モノクロ、みたいな感じでした。
といいつつ、「間違ってカラーフィルムが入っていたとしたら、おお、いいなぁ~って、それくらい鷹揚でいいんですよ。」とも書いておられます。
カラーか、モノクロか。なかなか奥が深い世界ですねー。
写真趣味でなければ、あんまりモノクロって撮る気にならないかもしれませんが、撮ってみるとなかなか面白いものですよ。