フジフイルム製以外のデジカメはほとんど使わない私ですけど、この度オリンパスのOM-D E-M1を友人よりお借りしましたもので、試させていただきました。
OM-D E-M1は、ミラーレスデジタルカメラですが、でっかいファインダーのある、一眼レフタイプです。
パッと見た感じの雰囲気は、フジフイルムのX-T2とかX-T20に似ていますね。
このたび私が普段使っているx-pro1との比較をしてみます。比べてわかるフジフイルムの良さとか、悪さとかあると思います。
ちなみにどちらも最新機種じゃありません。本来、最新同士で比較するべきでしょうけど、まあ、古いモデルでも、使い勝手とかメーカーの狙っている方向とかは、比較できるんじゃないかと思って、書いてみます。
OLYMPUS OM-D E-M1 14-150
FUJIFILM X-Pro1 XF23mmf1.4
目次
カメラの操作性の比較
上の写真は、住吉大社の初辰参りで撮ってみたものですが、写真の写りについての比較は、いたしません。
そこまで語れるほどの腕前もウンチクはないし、どちらも、それぞれのメーカーを代表するような機種ですから、写りが悪いはずもなく、どっちも、いい! と言っておきます。
写真の違いは、レンズの違いも大きいですし、ボケ具合とか色合いとか、好みの問題としておきましょう。
それより、素人にもわかりやすい、カメラの操作性というところの感想を述べたいと思います。
ところで、私は以前、中古車販売店に10年ほど勤めていたことがありまして、当時の国産乗用車なは、ほぼ全て乗りました。
自動車の操作って、基本的なところは、ほぼ同じ。軽自動車でも、高級スポーツカーでも、アクセルとブレーキとクラッチの位置関係や、ハンドルは右に回せば右に曲がるとか、ウインカーや、ワイパーの操作も、ほぼ同じです。(外車はウインカーとワイパーが逆だったり、シフトのパターンが違うのもありますが。)
ですので、初めてのクルマでも、取説無しでいきなり路上に飛び出しても。おおむね問題なく運転はできました。(特殊な装備のついているのは別です。)
しかし、デジタルカメラって、本来の基本的な操作である、絞り、シャッタースピードの操作が、ずいぶんまちまちで統一されていないのですね。
さっとターゲットに向かってカメラを構えたときに、むむっ、なんじゃ?となりまして、オートに頼らざるを得なくなります。
いぜん、ニコンの一眼レフを借りたときも、さっぱりわからず、しかし、じっくり取説を読んでいる時間もなく、一日中、オート頼みでした。
オートなら、ただシャッターを押すだけですから、撮影は難しいということもなく、ちゃんときれいに写っておりました。
ニコンを使ったのは、極寒の湖面、揺れる小舟の上での撮影だったので、手袋をつけたまま、シャッター押すだけっていうのはありがたかったです。
ハードな環境でも、簡単操作で、ちゃんと映るというのが、このカメラのコンセプトなのかな、と思ったのであります。(ちなみにD70)
しかし、そんな業務的な撮影じゃなく、一眼レフとか高級ミラーレスを使いたいっていう趣味人なら、自分の意図を操作に反映させたいものだと思うのです。
どの部分を手動に切り替えやすくしているか、その優先順位に、メーカーの狙いが現れているのかなという気がします。
オートフォーカスには自信があるから、マニュアルフォーカスへの切り替えやすさはあまり考えられてないとか、色合いの変化を楽しめるように、フィルムシミュレーションの切り替えがやりやすくなっているとか。
操作ミスが事故につながる自動車と違って、カメラの場合は、モタモタしてもシャッターチャンスを逃すというだけのことですから、業界で統一しようという気もないのかもしれませんね。
で、フジフイルムX-Pro1と、オリンパスOM-Dを比べてみますと、何に優先順位をもってきているのか、おぼろげながら感じることができます。
ボタンやダイヤル操作の差
使い勝手で一番違いを感じたのが、ボタンやダイヤルの操作です。
これこそ、マニュアルで扱うことを前提としているのかか、オートが基本で、マニュアルはエマージェンシーかと考えるのか、コンセプトが如実に現れるところでありましょう。
フジフイルムX-Pro1は、ピント合わせ、絞り、シャッタースピード、露出補正のダイヤル(リング)がそれぞれ、独立して設置されております。
ピントリングと絞りは、レンズ側にあります。(レンズによってはリングのないのもありますが。)
だから、マニュアル操作をする際も、迷うこともないです。
光の具合を自分の目で感じて、よかれと思える絞り値とシャッタースピードを決めて、ファインダーを覗く前に、あらかじめダイヤル操作をしておけます。
(ISO感度のみモニター画面で変更しますが、X-Pro2はISOもダイヤル操作になってますね。)
これがオリンパスE-M1の場合、いちばん真ん中のダイヤルが、P、A、S、Mといった撮影のモードを決定するダイヤルになっています。
絞り値や、シャッタースピードの数値は、モニターかファインダーで確認することになります。
右肩にあるダイヤルのお役目は、モードによって変わります。
Mモードなら、人差し指が絞り、親指がシャッタースピード、Sモードなら人差し指がシャッタースピードで親指が露出補正、Aモードなら人差し指が絞りで親指が露出補正、Pモードなら人差し指が露出補正で、親指で絞りとシャッタースピードの組み合わせを変えるという具合です。
人差し指で、主に意図するところを操作し、親指側が補佐ということでしょうが、ちょっと、混乱しそうです。(慣れの問題でしょうが。カスタマイズはできます。)
X-Pro1なら、ダイヤル位置をAにあわせれば、その部分はオートになりますから、操作を覚えるというほどのものでもないです。
フジフイルムX-Pro1だと、ファインダーを覗く前に、絞りとシャッタースピードのダイヤル操作をするのに便利。
オリンパスOM-Dだと、マニュアルで操作する場合は、ファインダーに表示される数字を見ながら人差し指と親指で操作をするかんじになります。
極端に例えると、古いガソリン車を、両手両足を使って、ガチャコンガチャコンと操作するのがフジフイルムで、F15とかの戦闘機の、操縦桿を細かい指使いで操作するのがオリンパスという感じでしょうか。(極端すぎますが。)
フジフイルムでもオートのみという人もあれば、オリンパスでもマニュアル操作大好きという人がおられるかもしれませんので、私の偏った感想です。
オートフォーカスの比較
上記のマニュアル操作というのは、露出に関してですが、フォーカスをマニュアルで操作する場合は、どちらのカメラでも基本的にレンズ側のピントリングを回すことになります。
しかし、OM-Dは、オートフォーカスが断然速く、べつにマニュアル操作したいとは思わなかったです。
合焦速度の遅いフジフイルムX-Pro1では、けっこうマニュアル操作したくなります。
ピントが合わない、イラッ! 手で合わそう、というかんじ。
しかし、手動でのピント合わせって、これはこれで職人芸なので、やはりオートで正確に素早くピントが合うのがありがたいですね。
フジフイルムのデジカメも、新しいのはどんどん速くなっているし、コンティニュアスオートも優れてきているので、手動でピントをあわせるのって、超至近距離とか、ほぼ暗闇とか、あえて変なところにピントを合わせたいという場合くらいになってくるんではないでしょうか。
それから、オリンパスOM-Dは、シャッターも軽くて連発しやすいです。
これは本当に軽くて、うっかりショットを連発してしまいました。半押しの感覚があんまりないのです。
これは、ストロークが長くて、半押し位置でシャッターが重くなるx-pro1に慣れていると、戸惑います。
私は合焦時のピッという音を消す主義で、x-pro1はシャッターの手応えで合焦のタイミングを測るのですが、オリンパスでは、その間も無くシャッターが切れております。
それでもピントが合っているのは、さすがです。X-Pro1が、このタイミングでシャッターを切ったら、多分ボケてます。
シャッターチャンスの感覚も違ってきますね。
狙い定めて、チャンスを待ってーという感覚と、バシバシ撮っていいのを選ぶという感覚と、けっこう変わります。
ボディを持った感じの比較
カメラのボディサイズについては、x-pro1の方が少しばかりでかいのですが、一眼レフタイプでグリップも大きいオリンパスの方が、プロの業務用っぽく見えますね。
つるんとしたX-Pro1より、グリップの大きいオリンパスE-M1のほうが、片手で持ちやすい感じがしますが、スイッチのオンオフを左手でしないといけないので、この点はX-Pro1の方が使いやすいかなあと思いました。
両手で構えてファインダーを覗くのは、どちらもおんなじようなかんじです。
一日中、何百ショットも撮りつづけてみれば、差が感じられるかもしれませんが、数十ショットくらいでは、どうという差は感じませんでした。
ファインダーの違い
これは、どちらも見やすいです。
が、OM-Dは、マニュアルで露出を操作する時、ファインダー画像に明るさが反映されないです。
プログラムオートで露出補正した場合は、明るくなったり暗くなったりするのですが、マニュアルモードで絞りとシャッタースピードを変更しても、明るさが変わりません。
シャッターを切ったあとの確認画像が、真っ白だったり真っ暗だったりして、ビックリします。
OM-Dが、なんでそんな仕様なのかよくわかりませんが、やはりオートで使うことが前提なんだと思います。
これは、ファインダーで明るさを判断できるX-Pro1のほうが使いやすいかなあ。
ふだん光学ビューでファインダーを覗いている私が、液晶ビューに切り替えるのは、露出を確認したい時なのです。(あと、至近距離でピントを合わせたいとき。)
露出の変化がファインダーでわからないというのは、ちと、物足りないという気がしました。
というわけで、一回目の比較記事は、ここまで。
デジカメを、あえてマニュアル操作したいという、マニアックな目線からの比較になってしまいました。
プロ目線とか、ママさん目線だと、全然評価も感想も変わってくると思いますので、そんな人もいるんだな、という程度に、考えていただければと幸いです。
素早くピントを合わせて撮影しないといけない仕事にはOM-D
趣味でゆっくり調整して撮影するときはFUJIではどうでしょうか?
そんなかんじが良いですね!
両者、そういう作りになっていると思います。