本物のレンジファインダー機を買ってみました

X-Pro1とX20を愛用しておりますが、どちらもレンジファインダー風のカメラであって、本物のレンジファインダーではありません。

レンジというのは、距離のことですね。ウィキペディアによると、レンジファインダーカメラとは、

「レンズの繰り出し量などを測定することで合焦装置と光学距離計を連動させ、スプリットイメージや二重像の重ね合わせによりピント合わせを行う」構造になっているカメラのことです。

X-Pro1の光学ファインダーはレンジファインダーではない

X-Pro1の光学ビューでのピント合わせはオートフォーカスになります。ピッ鳴る音と、緑色の合焦サインを信じるしかありません。

デジタルの距離表示はありますが、数字を見てピントをあわせるというのは、人間業ではないですね。

電子ビューであれば、ボケ具合が目で確認できますので、見ながら手動でピント合わせができます。

 

それで不便はないんですが、本物のレンジファインダーをいうのを体験したいと思っておりました。

で、近所の中古カメラ屋さんに、いってみました。このお店は、ライカだとかの高級マニアックのお店という印象がありまして、近寄りがたし、と思っておりましたが、行ってみたらライカに混じって、わりとリーズナブルなのも置いてました。

 

DSCF4496-001

 

昔々のバルナック型のカメラです。国産のコピーライカで、レオタックスというカメラ。昭和30年代のカメラだということです。ボディが19,800円でした。

バルナック型はファインダーの窓がふたつあって、フィルムの巻き上げレバーがないタイプのカメラです。四角いファインダーが、構図を考えるためのファインダーで、その両側にある丸いのが、ピントをあわせるためのものです。

レンズはキヤノンを買いました。とりあえず一番安いので。50mm。

 

2016-03-16 22.38.37

 

ピント合わせ用の窓から覗いたところ。(iPhoneのカメラで撮影)。望遠になっていて、実物より大きく見えます。

わかりにくいですけど、色違いの二重像が見えます。くまのプーさんの「Pooh」の文字が二重になっています。

ピントリングをまわしていくと、二重像が重なります。

 

2016-03-16 22.39.57

 

うしろから見ると、ファインダーの穴は2つあります。左側がピント合わせのための窓で、右側が構図のための穴です。どちらもX-Pro1やX20のファインダーに比べると、とっても小さくて見づらいです。

 

2016-03-16 22.39.11

 

このファインダーは、50mmのレンズ用になっていまして、実物より少し小さく見えます。レンズを変えても、デジタルのように画角が変わったりはしません。

別売りの35mm用とか、100mm用とかのファインダーを、カメラの上のホットシューに取り付けることになります。

 

DSCF4497-002

 

だいたい昭和の昔のものって、小さいですね。新聞や文庫本の文字も小さいし、よくそんなんで見えていたなーと思います。

 

DSCF5274

 

レンズには距離を表す数字が書いてまして▲に合わせて大体の距離をあわせられるはずなんですが、全然ちがうなーと思っていたら、メートルじゃなくて、フィート表示でした。

ちなみにこのキヤノンのレンズ、ピントリングも絞りのリングも、フジノンレンズとは逆回転です。

▲マークの右側のRという赤い字は、どうやら赤外線フィルムを使った時の、ピントを合わせる位置みたいです。

 

DSCF4501-001

 

アタリマエですが、この時代はオートフォーカスはありません。手で二重像を合わせるのが楽しいです。

露出もシャッタースピードと絞りで調節します。露出があっているかどうかは、現像してみないと確認できません。ファインダー越しに見えている明るさと、フィルムに投影される光の量は、関係ありません。

自分でコントロールしないといけないです。

とりあえずX-Pro1で先に撮ってみて、その数字に絞り値とシャッタースピードを合わせてみました。(ISO感度をフィルムの感度に合わせておく必要があります。)

1ショットごとに、ついついカメラの背面を見てしまいますが、黒い平らな背中が見えるだけです。

シャッタースピードは1/500が最速ですが、カメラ屋さんが言うには、たいてい数字通りじゃなくて、遅くなっているそうです。

ということは、デジカメの数字に合わせていると、明るくなりすぎるような気がしますが、ネガフィルムは現像の時に明るさを調整できるので、まあまあ写っていればOKなんだそうです。

手ブレ補正機能なぞはありませんので、手ブレには注意。

 

シャッター速度も、現在のデジカメとは、数字の並び方が違っています。1/125とか1/250はなくて、T,B,1,2,5,10,15,25,35,50,75,100,200,500となっています。

これは昭和40年あたりで、変わるそうです。

B(バルブ)とかT(タイム)は、長時間露光ができるものだと、デジカメだと頭で理解できますが、むかしのフィルムカメラだと、なんだか感覚で理解できます。シャッターの動きが、すごくメカなんですねー。

 

最新のデジカメとは、あまりに違うフィルムカメラです。露出について、フィルムについて、など、デジカメと比べて、いろいろ書いていこうと思います。

One Response to “本物のレンジファインダー機を買ってみました”

コメントを残す