こちらの記事の続きです。
X-Pro1をはじめとして、X-E2やX-T1などXシリーズは、マニュアル露出がとってもしやすいデジカメです。
シャッタースピードのダイヤルは軍艦部分にでっかく鎮座しておられ、右手の親指と人差し指で操作しやすく、レンズについている絞りリングは、カメラを構えた左手で操作できます。
露出操作は感覚で
が、それらのダイヤルは、構えてから操作するのではありません。
構える前に、その場の明るさを感じて、数字を合わせておくのです。
基準は、「快晴の時、感度分の16」です。
感度とシャッタースピードの数字に揃えるため、晴れている昼間はISO感度を250にして、シャッタースピードは1/250秒、絞りはf16、そこから明るさに合わせて、何段シャッタースピードを落とすか、絞りを開くか決めています。
(ISO 250 SS1/250 f16 つまり基準値のまま。)
(ISO 250 SS1/125 f16 基準より絞りを1段開いています。)
ISO感度を先に決めるのがコツ
室内や夕方になると、絞り全開でもシャッタースピードが1/30秒とかに落とさないといけませんので、手ブレします。
ですので、暗いところでは、最初の基準をあらかじめ上げておきます。
感度1000、シャッタースピード1/1000秒、f16を基準として、そこから何段、というふうに決めます。
(ISO 1000 SS1/60 f3.2 基準よりSSを4段、F値を約5段、つまり合わせて9段)
これはフィルムカメラで感度100のフィルムを使っていると、できない技ですね。感度を自由にあげられるデジカメなら暗くても写ります。
夜になったら、ISO感度2000まで上げて、1/2000秒、f16から何段落とすかというふうに考えると良いです。
(ISO2000 SS1/60 f10 つまりSSは5段 f値は約1段 あわせて6段)
私の感覚では、薄暗い部屋で8段くらい、明るい夜景で10段くらい、かなあ、というかんじです。
電灯のある無しや、影とかで、違ってきますので、完璧に露出OK!とはなりませんが、デジカメだと、いくらでもやり直しができますから、なんどでも撮って露出の感覚を養えばいいですね。
現像してからでないと、確認できなかった古(いにしえ)のカメラマンよりずっと有利です。
ある程度、露出の感覚が培われれば、ネガフイルムの場合、現像の時に焼き加減でいい明るさにできるといいますから、デジカメによる露出トレーニングは、そんなもんでいいでしょう。
(ISO 250 SS 1/1000 f4)
これは基準から、シャッタースピードを2段分速く(暗く)して、絞りは4段開いて(明るくして)います。プラスマイナスして、2段明るいということになります。
絞りを開いて、後ろをぼかして花びらを浮き上がらせようとしたからです。こういう場合も、絞りとシャッタースピードをプラス・マイナスして考えればいいわけです。
さて、露出は基本的にオートで間に合い、露出補正も簡単にできるデジカメで、わざわざマニュアルトレーニングをしているのは、露出計もないクラシックカメラで写真を撮るためだったのですけど、デジカメでわざわざマニュアル操作をするのもなかなかいいぞ、と思えるようになってきました。
それはなぜかといいますと、失敗するからなんですよね。
その失敗が意外といい感じだったりします。
(ISO 2000 SS 1/60 f2.8 10段でも 暗すぎ。ピントも失敗してます。)
(ISO 2000 SS 1/4000 f2.8 酔っ払っていたので、何を思っての設定なのか、そもそも何を撮ったのかもよくわからない。)
取材とかで失敗すると困る場合は、ISO感度までオートにして撮りますが、ぷらぷら散歩しながらの撮影は、マニュアル操作のほうが楽しくなってきました。
それもカメラを構えてじっくり操作じゃありません。これだと思った露出でスパっと、撮るんですよ。
バッチリ決まっていたら、なかなか快感であります。
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