家族で遊びに行くのに、フジフイルムX-Pro1に標準レンズのフジノンXF35mmf1.4をつけていきました。
レンズは1本のみ。純正品のデジタル用のレンズです。
これが、どういうわけか突然不調になりました。
オートフォーカスもオート露出も効かなくなり、マニュアルにしてリングをグリグリ回しても、「f0」の表示です。レンズを前から覗いてみたら、絞り羽がひらきっぱなし。すなわち開放のままです。
ピントリングも反応せず、5メートルくらいのところでピント位置が固定されてしまいました。
さて、困った。
カメラ側は正常に動いているようで、オールドレンズをつけたときのようなかんじなんです。
レンズなしレリーズをONにすると、シャッターは切れます。
オールドレンズならば、絞りとピントは手で回せば調整できますが、デジタル専用のレンズは、リングは虚しく空回りで、絞り羽もピントも動きません。
どうも、電極の接点が接触不良のようなかんじなのですね。レンズはこれ1本しかもってきてなかったので、レンズ交換して、どちらの故障なのか確かめようもなし。
電子制御されたデジカメの弱点が露呈いたしました。
まあ、iPhoneのカメラで記念写真は写せますんで、実際はそんなに困ってないですけど、この絞り値とピント位置が動かせない状態で、写真が撮れるかチャレンジしてみることにしました。
(上の写真はX-Pro1 XF35mm f1.4 SS 1/4000 ISO100)
絞りとピントが動かない場合の撮影方法
こんなノウハウを記録したところで、役に立つ場面がくることは稀でしょうが、いちおう書き残しておきます。
まず絞り開放で適正露出を得る方法。
快晴の野外で絞り開放、f1.4は明るすぎます。
開放状態で適正露出を得るためには、ISO感度を最低にし、シャッタースピードをできるだけ速くする必要があります。
「快晴時、感度分の16」の法則に当てはめて考えてみます。
最低感度のISO100にすると、絞りがf1.4はf16より7段分明るいですから、シャッタースピードは、1/100秒から7段分速くする必要があります。
100×2×2×2×2×2×2×2=12800となりますから、1/12800秒で適正露出ということになります。
X-Pro1では、1/4000秒が一番ハイスピードなので、快晴時はもはやお手上げということに。白飛びです。ハイキーです。
しかし、ちょっと雲が出ていたり、日陰だと、2段、3段ぶん暗くなりますから、そのあたりなら、なんとか、ちょうどいい明るさで撮影することができます。
次に、ピント位置固定の問題ですが、これは、カメラと被写体との距離を合わすしかありません。
液晶拡大にすれば、ピントが合っているかどうかは確認できます。自分が前後に動いて、ちょうどいい距離を測ります。
子供を撮ろうと思ったら、5メートルの距離を維持し続けないといけませんので、なんだか変質者みたいです。
絞り開放ですから、被写体深度は非常に浅くなり、ピントは超シビアです。もう、少々のピンぼけは、あきらめましょう。
単焦点レンズでは、構図は自分が動いて作ると言われますが、ピントも自分が動いて合わせないといけないってのは、なかなかのハンディですよ。
遠くの風景なんてまるきりピンぼけですから、ターゲットが限定されて、迷いがなくなりますね。
上の写真は、一番手前の噴水がピント位置より遠いので、全面ピンぼけ。シャッタースピードは、1/4000秒です。
これが逆に絞られた状態での固定なら、パンフォーカスになって距離に融通は効くと思うのですが。
しかし、ターゲットだけにピントが合って、手前と奥が激しいピンぼけというのも、なんだか面白い効果です。
こちらは、手前の子供にピントが合って、ママはボケてます。手前の葉っぱもボケてます。
こちらは、ベンチをピント位置に置いたつもりでしたが、まだ遠かったみたいです。ボケボケで、油絵みたいです。
普通の撮影に飽きてしまったら、たまに、絞り開放だけとか、ピント位置をかえてはならないとか、シャッターを押せるのは、100歩ごとに1回だけとか、ハンディをつけて撮影に望んでみるのもいかがでしょうか。
新しい発見があるかもしれません。
ちなみに、故障の具合ですが、数時間のうちに復活いたしまして、なんだか原因はよくわかりません。電子接点を掃除して様子を見てみます。