写真を撮るなら絵画を見よう

ときどき、近所のブックオフにいきまして、なにかおもしろい写真集は入ってないか、漁って見るのですが、写真集コーナーはあまり入れ替わりがないです。

篠山紀信の「NUDE by KISHIN」が、ほしいなあと思いましたけど、7,000円もしてますので、買っておりません。

篠山紀信、しばらく前から棚に居つづけていますけど、誰も買わないのは、やはり値付けが高すぎるんじゃないですかね? 廃番になった幻の名作ってわけでもないし。

 

NUDE by KISHIN

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写真集コーナーをざっと見渡して、飽きたので、向かいの棚を見てみると、美術コーナーでありました。

ここで目を引いて、つい買ってしまったのが、葛飾北斎と、フェルメールです。

「北斎」は福井美術館でのイベントのパンフレットみたいでした。「フェルメールの眼」は、赤瀬川原平の名画探険というシリーズ物のうちのひとつのようでした。どっちも500円。

「フェルメールはカメラが出来る前の写真家である。」と、本の帯に書いてあるのですけど、本当にスナップ写真みたいな絵なのです。

>>フェルメール画像

 

描かれている人物は、よそ見をしていたり、ギターを弾いていたり、手紙を書いていたり、ワインを飲み干してグラスが空になった瞬間だったり、モデルに「じっとしといてやー。」とお願いできるようなポーズじゃありません。「牛乳を注ぐ女」なんて、壺を持っているおばさん、手がつりますわ。

有名な「真珠の耳飾りも少女」も振り向きざまですね。たまたまシャッター切ったら、いい感じに撮れた、というかんじなのですけど、しかし、絵ですから、じっくり構図を考えて、筆で丁寧に書いているはずです。

画家は、あえて、そういうシーン、そういう構図で描いているおられるわけなのです。これはスナップ写真を撮るときの参考になりますね。

 

北斎の方は、浮世絵の富獄百景がおなじみですけど、人物画でも静物画でも、大きく余白を取った独特の配置で、日本人だなあというかんじがします。

>>北斎の浮世絵(春画あり)

掛け軸みたいなタテの構図が多くて、タテ写真を撮る時、北斎をイメージしながらカメラを構えたら、いい感じに撮れるんじゃないかなあ、と思ったり。

荒木経惟先生も、北斎の晩年の号である「画狂老人卍」にあやかってか、「写狂老人A」なんて名乗っておられます。

写真に行き詰まりを感じたら、絵を見たり描いたりしてみるというのも、良いかもしれませんよ。私は別に行き詰まったわけじゃないですけど。

2 Responses to “写真を撮るなら絵画を見よう”

  1. こんにちは。私もフジフイルム大好きでX-Pro1使ってます。電池の消耗が一眼レフと比べると早いのが唯一の難点でしょうか。それはさておき「写真を撮るなら絵画を見よう」100%同意です。私は人物ならフェルメール、風景はブリューゲルがお気に入りですが、フェルメールは針穴写真のような装置を使って映った像をなぞった、というような話を聞いたことがあります。本当ならまさしく写真(真実を写す)ですね。
    いろいろ参考になる記事楽しみにしております。

    • 井塚さま、コメントありがとうございます。

      フェルメールがそんな装置を使っていたとは、おどろきです。いろいろ工夫されていたのですね!

      ブリューゲルはバベルの塔を描いた方ですね。あんまり知らなかったのですが、独特の不思議な世界観が、よいですねー。

      また、ちょこちょこ記事を書いてまいりますので、今後とも宜しくお願いいたします。

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