デジカメをフルマニュアル操作してみた

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フジフイルムのXシリーズのレンズ交換カメラは、軍艦部分にでっかいシャッタースピードのダイヤルが乗っかっており、レンズには、フォーカスリングと絞りリングがついております。(パンケーキレンズを除く)

まるでカメラが、マニュアルで操作せい! と訴えてきているかのようです。

私は、クラシックカメラの練習のためにマニュアル操作のトレーニングを始めましたが、マニュアルに慣れると、これがなかなか気持ちいいんです。

ちょっとコツを掴んできたような気がしますので、私のマニュアル操作法を書いておきます。

シャッターと絞り、ISO感度の関係など、いちおう理解しているけど、実際の操作は何を基準に考えていいのかわからない、という人には参考になるんじゃないでしょうか。

目次

マニュアルで露出を決める

露出をマニュアル操作するというのは、クルマのギアチェンジのマニュアル操作と、なんだか感覚が近いような気がします。

クルマのギアは、スピードや坂の勾配によって、適切なギアを選びます。キビキビ走りたいのか省エネで走りたいのかでも選択が違ってきます。

カメラの露出も、その時の明るさに応じて、または明るく写したいのか暗く写したいのかでも変えることができます。

ただ、クルマは、ギアを1速から5速のどこに入れるかだけですが、デジカメの場合、絞りとシャッタースピードと、ISO感度の3要素があるのでフクザツです。

どっちかというと、クルマより、ロード用自転車のギアチェンジに近いかも。(自転車は、ペダル側とタイヤ側の両方のギアの組み合わせですね。)

自転車の話を持ち出すとややこしいので、クルマのギアで説明します。

 

車の場合は、発進時が1速です。そこから、2速、3速、と上げていきます。

カメラの露出も、スタート位置を決めておくと、やりやすいです。スタート位置がわかっていれば、クルマで自由自在に変速できるように、ワンショットごとに露出の操作ができます。

雲一つない快晴を基準として、そこから曇っているとか日陰とか、光量が落ちるにのに合わせて、絞りを1段づつ開ける、またはシャッタースピードを1段づつ遅くしていく、というかんじ。

で、基準となる数字ですけど、絞りは、f16をスタート位置にします。レンズによってはもっと絞れるレンズもありますが、標準レンズでは一番絞った状態ですね。

そしてシャッタースピードは、ISO感度に合わせます。感度100なら1/100秒。感度4000なら、1/4000秒というかんじです。(ぴったり1/100秒の設定はできませんけど。)

クルマのギアは、5速か6速くらいまでですが、明るさの段は、カンカン照りの快晴から、ほぼ真っ暗け状態まで、15段くらいでしょう。

絞りだけで露出を変えていくなら、f16→f11→f8→f5.6→f4→f2.8→f2→f1.4と、7段です。

シャッタースピードだと、1/4000→1/2000→1/1000→1/500→1/250→1/125→1/60→1/30→1/15→1/8→1/4・・・とどんどんいくらでも遅くできますが、手持ちでブレない限界は1/60くらいまででしょう。

といういことは、スタートが1/125なら、1段おそくするだけで限界。1/4000スタートなら、6段分おそくできます。絞りの7段とシャッタースピードの6段を足して13段。これだけ使えれば、たいがい暗くてもOKです。

で、スタート位置から、2段分明るくしたければ、絞りを2段開けるか、シャッタースピードを2段遅くするか、もしくは両方1段づつ明るくなる方に持っていけばよいわけです。

ボケ効果を出すため、開放まで開きたければ、そのぶんシャッタースピードは速くして、プラスマイナスの帳尻を合わせます。

最初に決めるのはISO感度

というわけで、どのくらいの暗さまで手持ちで迫れるのかは、ISO感度で決まります。

ISO感度を決めれば、シャッタースピードのスタート位置を決めることができます。

明るい昼間の風景を撮るだけなら、ISO感度は低めで十分。夕方とか室内を撮るなら、ISO感度を上げておくのがいいです。

どのくらいまでISO感度を上げれるのかは、センサーの性能によりますね。X-Pro1なら、25600までの設定があります。

さすがにISO感度25600だと、ザラザラの画質になりますが、6400あたりなら、あまり荒れないで、わりときれいに写ります。

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(X-pro1 XF23mm  f2.8  SS1/60  ISO12800)

 

それなら、年がら年中高感度状態でいいじゃないかという気もしますが、昼間から高感度にしていると、ボケが欲しくて絞りを開けたり、水の流れを表現するのにシャッタースピードを遅らせようとしたら、明るくなりすぎます。

(昼間から高感度って、なんだかエッチなかんじ。笑)

ですので、昼間の野外なら、ISO100とか、ISO200で良いでしょう。

XシリーズではISO感度をオートにしていると、基準は200になっていますが、マニュアル操作する場合、シャッタースピードの数字と合わせやすいので、ISO感度250がやりやすいです。

 

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(f2.0  SS1/60  ISO4000)

数字で覚えるんじゃなくて、段で覚える

このくらいの明るさなら、絞りfいくつ、シャッタースピード何分の1秒、なんて覚え方はナンセンスでありまして、このくらいの暗さなら何段くらい、という覚え方がいいですね。シャッタースピードは感度によって変わるんですから。

また、同じ段でも、絞りとシャッタースピードの組み合わせは変えられるわけですから、「いま何段の暗さ」と感覚でわかっていれば、組み合わせを自由に変えて、ボケ効果を狙ったり、動きや流れの表現もできます。

(絞り優先オートとかシャッタースピード優先オートというのは、このへんのバランス合わせを自動でやってくれているのですね。)

 

どのくらいの明るさ、というか、ピーカンからどのくらい暗いという感覚は、これはもう、撮りまくって身に付けるのがいいと思います。

これはフィルムカメラより、その場で確認できるデジカメ有利。いちいち数字を控えてなくても、モニターを見れば、成功か失敗かはすぐわかるんですから。

うす暗いように思える木陰より、明るいと思える室内のほうが、実際は光の量は少ないです。露出合わせをしていると、目の錯覚を感じることができると思います。

露出補正ダイヤルは不要に

シャッタースピードと絞りリングの両方をマニュアル操作しだすと、露出補正のダイヤルはいじらなくなります。

あのダイヤル、端っこについているもんで、カバンの中で動いてしまうことが多いんですけど、プラスでもマイナスでも勝手に回っとけ、というかんじになりますね。

なかなか快感です。

マニュアルフォーカスは特に工夫なし

露出のマニュアルは、上記のようになかなかフクザツでしたけど、ピント合わせは、どうっちゅうことはないですね。

X-Pro1の光学ビューファインダーを覗きながらでは、マニュアルでのピント合わせは無理です。遠くの景色を写すだけなら、絞りを思い切り絞って、無限遠にしておけばいいですけど。

そうでなければ、液晶電子ビューファインダーに切り替えて、フォーカスリングを回しましょう。

マニュアル露出で明るさバッチリのときほどの喜びはないですが、檻越しの動物にピントを合わせたいとか、手前の木の枝はぼかしたいという時は、マニュアルのほうが便利。

X-Pro2は、光学ビューファインダーの中に、液晶でピント合わせの表示があるので、素敵です。

なんだかんだいってもマニュアル操作は必要なし

なんだかんだ書きましたが、今のデジカメのオート機能はとても優れておりますので、たいがいはオートのほうがうまく撮れると思います。

私みたいに、露出計のないクラシックカメラを使えるようになりたい、というような目的でもないなら、マニュアルにこだわる必要は、全く無いんじゃないか、という気はします。

訂正マニュアル露出で撮影する意義・メリット

ただ、クルマでも何でも、マニュアルじゃないと気が済まん、という属性の人はいると思いますので、そんな人には、フジフイルムXシリーズは満足度高いと思います。

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