モノクロ写真を撮る時の注意

古いモノクロの写真集を見るのが好きです。先日はアルフレッド・スティーグリッツの古本を買いました。近代芸術写真の父と言われる人だそうです。

古本屋によった時や、アマゾンの安いのを見つけた時に、写真集は、ちょいちょい買っております。

戦前の昔のモノクロ写真を見ていると、当時のファッションや町並みが、どんな色だったのと、知りたくなる時もありますが(特に自分の住んでいる街の空襲前の様子など。)上手なモノクロ写真は墨絵を見るようで美しいと思います。

 

カラーが普通になってくると、モノクロは一般的には、古い、不完全なもの、という目で見られがちです。

私が子供の頃、既にテレビはカラーでしたが、新聞の写真はモノクロでした。新聞にカラー写真が使われるようになると、日経とか、カラー化が遅かった新聞は、つまんなく思えたものです。

カラフルなエロ記事があるスポーツ新聞が、いちばん好きでした。(それは、ちょっと意味が違うかも)

目次

独りよがりなモノクロ写真にならないように

カメラ・写真に凝って、やっぱりモノクロもカッコイイなーと思えてきても、得意げに人に見せたり、人に渡す写真をモノクロにする場合は、慎重にいきましょう。

同好の士ばかりではないです。

カラー写真に慣れた現代人は、白黒画像では物足りなく感じて、イラッとします。

カラーが当たり前の時代なんですから、モノクロで撮るからには、モノクロである理由が必要でありましょう。

カラーより、美しいとか、かっちょええ、とか。

貴様にはこの良さがわからんのかと、くどくど説明しないといけないような理由じゃなくて、誰が見ても、おホッ!と唸らせるような、ひと目でわかる理由が必要です。

我ながら、自分のモノクロ写真で満足できるのがないもんで、分かった風なことを書くのはためらわれるんですけど、自戒を込めまして、感じたことを書いておく次第です。

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(レトロな車と、車椅子の雰囲気が、モノクロかなあ~と思って撮りました。X-Pro1 XF23mm)

モノクロを上手に撮るには

上手なモノクロ写真を撮るには、どうしたらいいんでしょうね。

カラーで撮った写真から、ちょっとモノクロ向きかも、というようなのを、デジタル処理でモノクロにするというのも、アリかとは思いますが、最初からモノクロの設定にして、目の前の景色が、どのように白黒の世界になるのかイメージして、シャッターを押すというのがよろしかろうと思います。

あんまりいろんなものがゴチャゴチャ重なっては、モノクロではカラー以上に、わかりにくくなります。

タテ・ヨコ・ナナメの構図や形は、カラー写真以上によく見えてきます。

ぼやっと眺めたときに見える白と黒のバランスとか配置が、ピントが合ってるとか背景のボケ具合より、重要じゃなかろうかと感じます。

ある程度白黒のコントラストがないと、アクセントのないボンヤリした面白くない写真になりがちですね。(デジタルのモノクロは、キリッとしすぎているような感もありますけど。レンズの違いかなあ。)

モノクロは、けっこう考えて撮らないと、偶然うまく写ってた、という可能性は少ないと思います。カラーより。

モノクロ写真を人にあげるときの注意

できた写真を見て、こりゃカラーのほうがいいな、と思ったら、人にあげるのはやめといたほうが良いでしょう。

たくさんのスナップ写真の中に、無造作に混ざっているモノクロ写真を見つけた人が、あっ、これキレイ、欲しい! と言ってしまうくらいの写真でないと、押しつけになっちゃいますね。

 

人にあげる写真は、ピントがバッチリ合った顔がきれいな色で写っていて、その場の様子もちょろっと入っているってのが、一番喜ばれて無難ってもんです。

人の望みと、自分の価値観を比べるなら、人の望みに合わせたほうがお互い幸せになれます。

(頑固一徹で自分の意志を貫いておれば、もしかして死後に認められて、殿堂入りできるかもしれませんけど。)

モノクロ写真の楽しみ方

上手なモノクロ写真は、大きくプリントして、お部屋の壁に飾った時に、カラー写真以上に、いい感じだと思います。

子供の頃の私が、庭で亀と遊んでいる四つ切サイズのモノクロ写真が、実家に飾ってあります。父が撮ったものです。

実家には、孫のカラー写真のパネルも飾ってあるんですけど、モノクロがいいよねえ、と思うのは、自分が写っているからってだけじゃないと思うのです。

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